転倒事故で頭内出血を起こした母の認知症予防のリハビリ
頭内出血でアルツハイマーの恐れが
約3年ほど前、当時80歳になったばかりの母が、バスの降車中にステップを踏み外し後頭部を強打し頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ)で約一月の入院しました。
退院後、定期的な検診を受けながら自宅療養となりました。
事故から3ヶ月ほど経過した頃の定期検診で、若干物忘れの感じがひどくなっていました。念の為アルツハイマー診断も受けたところ、物忘れとアルツハイマーの境界線上ではないかとの診断を受けました。
認知症予防のために母に炊事をまかせてみる
このことがきっかけで、主治医とも相談しながら、認知症の予防法としていくつかを試すことになりました。
まず本人が事故前の生活自体になるだけ近づけた生活を送ることを目標にしようということを前提とした視点から、主治医からもアドバイスを受けました。母の体の状態は事故で下半身の動きが悪くなっていたため、杖あるいは押しぐるまを利用していました。
事故前には炊事、洗濯、そして庭の剪定(せんてい)などあらゆる家事を一人でこなしていたのですが、さすがに一度にその状態に戻すのは無理がありました。
そこでまず炊事を介助しながら、なるべく一人で作業させることにしました。炊事をさせることで毎食の献立を考え、食材の在庫や料理の段取り等の内容を自然に考えることで、認知症の予防にもなるらしいとのことでした。
炊事と運動で母の日常生活を取り戻す
退院以来約ひと月は炊事自体をさせず、私が代わりにやっていましたので、この診断後すぐに母に料理の主導権を渡すことにしました。私は台所で付かず離れずに、重い鍋釜やフライパンの移動などを手伝う程度で見守ることにしました。
久々の炊事に母の顔は前とは違い真剣な緊張したものでしたが、一週間もすると事故前の日常を取り戻して顔も明るくなりました。
それと並行して私の仕事の関係もあるのですが、朝あるいは夕方に無理をさせない時間
で運動をすることにしました。最初は5分程度からで今では約30分程度になっていますが、近所を散歩することにしたのです。
前述したとおりの足の状態なので無理な運動はさせられず、最初は押しぐるまを押していました。約一月ほどで杖でも大丈夫になったと思います。散歩することで、昔なじみのご近所さんとの会話もできました。そのことも良かったのか、会話の方も徐々に昔の感じに戻りました。
日常生活自立度を上げることは認知症予防に必要
これらのことを毎日少しずつ積み重ねてきて、現在でも定期的に通院してはいますが、認知症の症状は発病には至らずに済んでいるようです。
主治医の診断としては、物忘れの症状はあるもののアルツハイマー型認知症とは言えない状態でしょうとのことです。
やはり、体を無理せずに動かし、日常に必要なことをこなすことが認知症予防には不可欠なのではないかと実感しました。自分のことが自分でできることで、母の表情を昔のように明るさを取り戻した感じがします。
今でも、見守りは必要ですが、認知症を思わせる行動などは見られていません。
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