洗濯物たたんで認知症予防~自分の役割でいきいきした生活を取り戻す
祖母に家事を取ったら認知症が迫ってきた
最近、あまり動けなくなってきた祖母。リウマチがあるため痛みがあり、動きはゆっくりであったが自分のことは自分のペースでやっていました。
体調不良が続いたことをきっかけに、洗濯や料理など自分でやっていたことを代わりに他の家族がやるようになりました。体調が良くなってからも、あまり無理をさせてはいけないと感じそのままの状態が続いていました。
そのうち、今まで一緒に出かけていた買い物にも足が痛いからという理由で行かなくなってしまいました。動く範囲が少なくなったことで、関節の痛みが強くなり動く意欲もあまりなくなってしまったため、ベッドで横になっている時間が増えていきました。
部屋にいる時間が増えてしまったことで、私たち家族も祖母と話す時間がどんどん減ってきました。何か、説明するのになかなか理解ができなくなったり、会話が時々かみ合わないと感じることが増えたりなど、認知症になってしまったのではないかと不安になることが多くなってきました。
元の生活を取り戻すために祖母に家事を頼む
そんな不安なことが増えてきたころ、私の仕事である作業療法の勉強会にて作業剥奪(さぎょうはくだつ)という言葉を耳にしました。
作業剥奪とは、今まで行っていたことがなんかの理由でできなくなり奪われてしまう状態です。その状態が続くと心理面にも影響が出てきて動く気力や意欲などもどんどんなくなってしまい、剥奪された作業だけでなくその他のものにも影響があるということです。
祖母はまさしくその状態でした。今まで自分でしてきたことができなくなり(奪われ)そのため動く意欲がなくなってしまい、寝ている時間が多くなってしまったのです。
負担にならないような軽いものから祖母に家事をやってもらおうと家族に話し、洗濯物をたたむということを祖母に頼むことにしました。これなら、ベッドに座ってでも可能なので体への負担も少ないですし、時間に追われず、祖母のペースでゆっくりと進められると感じたからです。
洗濯物をたたむ役割を頼んでからの祖母
祖母もそのことを頼むと、快く引き受けてくれました。今では自分から「今日は洗濯物はないの?」と聞いてきてくれるまでになりました。
また、初めはたたむだけでしたが、たたんだ洗濯物を私たちの元まで運ぶことも自らの意思で始めており、行動する範囲も増えてきました。会話をする機会もまた増えてきて、それだけでなく少しずつ表情も明るくなってきた気がしました。
この時、改めて自分の役割をもって行動すること、毎日やるべきことがあるということの大切さが分かりました。会話がかみ合わないこともなくなり、いきいきとした祖母の様子を見られるのがとても嬉しいです。
洗濯物たたみという作業を頼むことで認知症の予防になったのかな、と感じる出来事でした。
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