何気ない頭の刺激が認知症や物忘れに効果的
料理で頭を刺激
私の母はアルツハイマー型の認知症で、この四月から特別養護老人ホームに入所しお世話になっています。
それまでは自宅で一人暮らしだったので、兄夫婦と私夫婦の四人で交互に母の介護をしていました。私が母を介護するのは主に食事だったのですが、母がすぐ食べられるよう用意することもありました。できたても食べたいだろうと途中までは私がして、仕上げは母にしてもらうということが多かったです。
例えば「鍋焼きうどん」で、私が材料を用意し横で見守りながら、母が調理するというスタイルでした。母は料理が好きなため、私が側で見ている限りは問題なく自分でできていました。ですが一人きりになると、自分のためだけには全く料理しなくなりました。父が生きていた時は、「自分が世話をしなければ」という使命感で料理をしていたと思います。
このことから、一人暮らしで良いというのは若い時のことであって、年老いてからは人と接して頭に刺激を与えないと、どんどん退化していくのだなと実感しました。
しりとりしながら運動で頭をもっと刺激
食後には、家の廊下を歩きながら、「しりとり」ゲームをしました。歩くことは、身体の筋肉を鍛えることにもなりますし、更に「しりとり」は頭のトレーニングにもなります。また「しりとり」することは、母だけなく、私にとってもいい頭の刺激になり、物忘れ予防になると思いました。
私の自宅は、二階がメインの生活空間で、お風呂場やトイレは一階のため、必然的に階段を昇り降りすることになります。なので、階違いの物が必要な時は、階段を使う前に必要な物を思い浮かべてから、移動するようにしています。そうすることで、階段を上下する労力が省けますし、今必要な物は何かを明確にすることになります。
なので、これが頭を使っていることになるため、私としては、階段の生活に不自由を感じたことはありません。どんな生活スタイルでも、うまく順応していくことは、頭にとっては良い刺激になると考えています。
コミュニケーションはもっともよい刺激
先日、母の施設に行き、その日は私の誕生日だったので「覚えているかな」と期待せずに「今日は何の日かわかる?」と尋ねてみました。すると「貴女の誕生日でしょう」と言ったので、嬉しい期待はずれで驚きました。
昨年は、何の日かすっかり忘れていたので、今年はもっと悪くなっているだろうと思っていたのですが。このことから、やはり人と接するというのは良い刺激になり、認知症の進み具合が停滞あるいは遅くなるのではないかと感じられました。
母を施設に預けた時は「これが最善なのか」と自問自答しましたが、総合的に考えると、今の方が母にとっては良い選択だったと考えています。
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