猫だって認知症を予防して家族を守りたい

猫も大きな野原を駆け巡りたいけど、大好きな家族を認知症から守りたい(ΦωΦ)。認知症に関わるエピソードや、認知症予防のための食事や運動などを紹介します。

認知症の祖母について、家族として振り返って思うこと

認知症の予兆は何気ない会話にも隠れている

私の祖母に認知症の予兆が見え始めたのは、今から思えば不思議な発言をし始めたことでした。祖母はとても頭のいい人で、何事もキッチリすることを「良し」とする性格のため、物覚えも素晴らしく、孫の私の方が負けてしまうほどでした。

そんな祖母がある日何てことも無い日常会話を繰り返すようになりました。もともと心配性であることから、何度も確認する癖があったのですが、その時は心配するような内容では無いのに何度も確認していました。

確認していた内容は「お昼は何を食べた?」というような終わったことに関することだったので、不思議に思いつつ答えていたことを覚えています。

今思えばなぜその時に不思議に思ったのかと言えば、私の答えを聞いて、「あ、そうだったねえ」と答えながら、なんだか腑に落ちないような表情をしていたからです。元々食に対してあまり興味のない人だったため、祖母のいつものイメージと重ならずなんとも言えない違和感も覚えていました。

もしかしたら、本人はお昼を食べたというエピソードの記憶自体があやふやだったのかもしれません。そんなちょっとした違和感を覚えつつも、祖母もある程度の年齢だし(当時60歳ぐらい)、私の生活にはあまり密接していなかったこともあり、そのまま見過ごしていったのです。

異変が大きくなりうつや妄想などの症状が悪化

ちなみに、その頃の両親はというと、どこの家庭でも同じかと思いますが、働き盛りの父は仕事仕事の毎日、母は家や地域のこと、祖父の看病や介護、子供の習い事や塾送迎など多くの雑多な用事を熟すのが精いっぱいでした。

そんな中、わりと口うるさい祖母とは折り合いが悪かったことも小さな異変を見逃してしまった原因だと思います。そのような小さな異変を見逃している間にいつの間にか大きな異変へと症状が悪化していったのです。それが、うつをはじめとする妄想・幻覚・睡眠障害です。

少し上にも書きましたが、キッチリしたい性格(完璧主義)から厳しく口うるさい祖母でしたので、若い頃から(といっても私がもの心ついた頃なので40代)ヒステリックに怒鳴ることは度々あったのですが、ついには内容が意味不明になってきました。

被害妄想の思い込みが強くなり怒りっぽくなった

そのころ一番多かった内容が「誰かが私に悪いことをしている系」の内容でした。例えば、眠れないのは孫の部屋の明かりがまぶしいからだ!とかありました。(本当の原因は自分の部屋の窓がレースのカーテンで街頭が入っていたことだったのですが。)

お金が無くなった!誰か盗んだ!(たぶん自分で別の財布などに移したと思われる。)
私の予定が入っていたのに、他の予定をかぶせてくる!(家族に予定を伝え忘れていただけだと思われる)というような被害妄想的な思い込みの発言が他にも増えてきました。

さすがに両親もここにきて「あれ?これは性格ではなく病気では?」と思うようになりましたが、ここからが大変でした。

なにせ、自分が病気であるとは絶対に認めたくない祖母、何かおかしいとわかりつつも、どこの病院へ連れて行けばいいのか、どう説得すればいいのかわからない両親。そんな両者にらみ合いのような動けない状態が数年続きました。(おおよそ祖母が70歳の頃でした。)

認知症とうつは似ているようで異なるもの

結局、転倒により骨折入院をしたときに、なんとか心療内科の先生にも見ていただきました。そこでうつの診断をいただき、なんとかうつの治療に入ったのです。家族はうつだったのかと一つの診断がおりたことにホッとするとともに、治療すれば治っていくという希望を持ちました。

けれども、このうつが認知症からきているとは思いもよらなかったのです。これは私たち家族の認知症とうつ病との違いが見抜けない知識不足でした。

うつが根本の原因だと思っていたので、うつの治療のため神経を穏やかにする薬をもらっていました。

薬でうつが治ると思っていたが

確かにその薬を飲むと静かにはなるのですが、なんというか、一日中ボーっとした無気力な状態になり、あのシャキシャキしていた祖母はいったいどこへ?というような生活を過ごすようになっていきました。薬によって神経の過敏は抑えられているものの、生きている気力というかそんな部分もそぎ取られているようでした。

そのうちに、薬を飲むことも拒否するようになり、状態もうつだけでなく躁鬱(そううつ)になり、徘徊なども伴うようになっていったのです。

徘徊が始まると家族は気が気ではありません。できる限りデイサービスなどを利用して一人になる時間を減らしたりして対応するものの、24時間気が抜けない生活になっていきました。

さらにうつ気味になれば薬もデイサービスも拒否し始まるし、躁(そう)になれば何が起こったのかと思うほど生き生きと活動し始めて誰かを捕まえては永遠に話をするという状態になってしまうのです。デイサービス内での人間関係がしだいに悪くなり祖母は行き場を失いつつありました。

老人ホームに行って症状が回復した

そんな時に、たまたま私の出産があり、大忙しの母にお友達が勧めてくださったので、祖母を介護付き老人ホームにお願いすることになりました。(祖母は当時78歳)スタッフが全員きちんとした知識を持って対応してくださるので祖母は明らかに回復していきました。

残念ながら認知症が回復していくことはなく徐々に進行していくのですが、祖母の人権を尊重し、丁寧に扱っていただけることで心に余裕が出てきたのかうつ、暴言、妄想、幻覚、睡眠障害など不安から引き起こされていた症状がみるみる回復していきました。

今では自分の名前も血縁関係の私や母のこともわかってないようですが、とても穏やかな生活をしています。(現在90歳です。)

小さな異変も見逃さずに認知症の予兆を見つける

長くなりましたが、この経験から認知症はまず早期に疑いを持って予兆を見つけることで、出来るだけ精神的不安から別の症状を引き起こす前に食い止めるための予防が大切だと思いました。

今は患者本人を連れて行かなくても家族からまず話を聞いてくださる病院も多くありますし、探せば多くのサポートがありますので、早期にとにかく相談することから始めてみることをお勧めします。

また、精神疾患のような病気がある場合、その根っこに認知症というものが隠れていないか?という部分も併せて心にとめておくことをお勧めします。病院やサポート機関では家族としての対応などを学ぶという部分も大きいと思います。家族も悩んで同じようにつぶれてしまったのでは本末転倒です。

本人のケアも家族のケアも車の両輪のようにどちらも大切なのです。そのことも忘れずに、家族全員が笑顔で過ごせる方向を目指していきましょう。

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ガイド役:ホワイト

ガイド役:ホワイト

二児の母の愛猫で、チャームポイントは尻尾の白猫。
一見すると愛嬌があるように見えるが、実は意外としっかりもの。
最近は、物忘れが多くなった祖母(母の母)がもしかして認知症かもしれないと悩んでいる母を見て、どうすればいいのかいつも母のことを気にかけている。
その一方で、相方のパグの食欲旺盛やおとぼけぶりに振り回されているのも、頭が痛いところ。

サブガイド役:グレイ

サブガイド役:グレイ

ホワイトの妹、一見強がっているが実は甘えん坊で、毎日母といっしょにいたがっている。姉のホワイトには頭が上がらない?