パソコン教室に通い出し、若さを取り戻した祖母
祖父に先立たれ、物忘れが激しくなった祖母
私の祖母についての経験談です。祖母は今年75歳になります。10年ほど前に祖父に先立たれてから、父母の実家で一緒に暮らしています。
祖父が亡くなり、祖母が実家に越して来て以来、最初は明るく気丈だった祖母は手持ち無沙汰になってしまったのか、自分の部屋で過ごすことが多くなり、口数も減ってゆきました。さらに数年前から耳も遠くなってきてしまい、余計に会話がなくなっていきました。
そのせいもあってか、老人会の大事な会合を忘れてすっぽかしてしまったり、会った人のことをすっかり忘れてしまったりと、物忘れが激しくなっていきました。
心配になり、地域主催のパソコン教室に通わせることに
そんな祖母の様子を見て、何かやりがいになりそうなことを与え、少しでも脳の活性化につながればという思いで、父母と話し合い、祖母に地域主催のパソコン教室に通うことを進めました。
祖母は折りたたみ式携帯も使わない人で、機械モノには全く縁がない人のため、最初はいやがりました。老人会のお仲間も少しずつ教室に通うようになり、パソコンを触る様子を見て、いやいやながら教室に通いはじめました。
慣れないパソコンと格闘するなか少しずつ会話が
教室ではワードの使い方やインターネットの利用方法など、いくつかの基本的なパソコンの使い方を教えていました。
祖母ははじめ電源の付け方もわからず、マウスのクリックもわからない状態でした。教室の授業についてゆくために、家でもパソコンを購入し、練習に励むようになりました。家族の中で比較的、パソコンに詳しいほうだった私は、日に何度も祖母から「ちょっと教えて」と声をかけられ、練習に付き合いました。
練習して少しずつパソコンに慣れてきた祖母は、老人会の中で案内状をワードで作成する係を引き受けたり、旅行に行った時の写真をプリントアウトする役を担ったりするようになりました。次第に自分から「次はこんなことをしてみたい」と、目標をもってパソコンに触れるようになりました。
今では大事な予定も忘れがちだった祖母が、毎回欠かさず老人会の会合に出て、積極的にパソコン仕事を引き受けるようになりました。自分のやるべきことが出てきたためか、以前より物忘れも減ってきて、家族とも明るく会話するようになってきました。
自分のやるべきことや役割が明確になっていると、脳が活性化され、認知症の予防や物忘れの解消にもつながってくるのではと、この経験から学ぶことができました。
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