猫だって認知症を予防して家族を守りたい

猫も大きな野原を駆け巡りたいけど、大好きな家族を認知症から守りたい(ΦωΦ)。認知症に関わるエピソードや、認知症予防のための食事や運動などを紹介します。

アルツハイマー型認知症が進行した独居の父親

脳梗塞でリハビリしていた父親に何が起こったのか?

ディケアに勤務して、5年が経ったある日の事です。担当患者のTさんの娘さんから電話がありました。

Tさんは、4年前に脳梗塞で倒れ、右半身不自由になりました。リハビリ型ディケアで、体を動かし家族に迷惑をかけたくないという想いから通所しています。一人娘のSさんは、県外から週に一度Tさんの身の回りのお世話に実家へ通っています。

「相談があるんです。」
切羽詰まった声です。Tさんの通所日でない…家庭で何かトラブルが起きたのでしょうか?

物忘れがひどくなったのは認知症のせいか?

「どうされましたか?」
「父が、急に…財布がない。泥棒が、入った!すぐに警察を呼べって…見たこともない見幕で。」
Sさんの話を際切らないように…気を配ります。

「少し前から、物忘れが酷くなっていて。…もしかしてら…認知症なのかもって。」
Sさんは、電話の向こうで泣いているようでした。

カンファレンスは不審に感じられないように

後日、ケアマネージャー、看護師、担当医師、理学療法士、私、そして、Tさん、Sさんでカンファレンスが開かれました。

「大袈裟に、こんなに集まって、私をどうするつもりなんだ?」
Tさんは、不機嫌です。申し訳なさそうなSさん。

ケアマネージャーのOさんは、いつものように明るく言いました。
「Tさん、そんなに照れないでくださいよぉ。私たちは、Tさんが、何か困っていないか?このままのケアプランで良いのか?知りたいだけなんですから。」

Tさんがまた、不機嫌に答えました。
「何も困っていないし。だいたい、大袈裟なんだ。」

名目は、カンファレンス…でも。Tさんの部屋は、物が溢れて、床には、食べた後のお皿や…下着がありました。送迎時には、玄関までしか来ないから、気づかなかったのです。Sさんも週に1度のお世話では、片付けられないようでした。

認知症の診断テストは脳梗塞後のテストして

医師の判断で認知症の診断テストを受けることになりました。本人は、素直に受け入れないだろうと「簡単な脳梗塞後のテスト」ということにして、受診してもらう方法を取りました。認知症かもしれない。不安なSさんは、落ち着かない様子でした。

さりげなくTさんに会話をしてみました。
「…Tさんのお家にある、大きな木は、いつからあるんですか?」
「あれはな…なんだったかなぁ。…そう、サクラの木だ。」

私が初めてTさんを家まで送迎した日。「あの木は、妹の為に父親が植えたんだ。」と教えてくれました。その記憶が、少しずつ…消えてしまったようで、私もショックでした。

Tさんは、後日アルツハイマー型認知症と診断されました。完治は難しいが、薬で進行を遅らせることは可能です。昔の記憶を留める為に、ディケアでは様々な工夫をしています。

    • 確かに大勢の人達に囲まれてのカンファレンスでは不審に思われかねないから、気をくばらないといけないわね。

    • あと認知症の診断テストとストレートに言われると拒絶反応をする人も少なくないから、受けさせるときには言葉をよく選んだほうがいいわ。

    • ともかく認知症の診断テストは、受ける相手の気持ちをよく考えて慎重にするべきよ。でないと「自分は認知症ではない!」と言われて、トラブルになってしまいかねないから。

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ガイド役:ホワイト

ガイド役:ホワイト

二児の母の愛猫で、チャームポイントは尻尾の白猫。
一見すると愛嬌があるように見えるが、実は意外としっかりもの。
最近は、物忘れが多くなった祖母(母の母)がもしかして認知症かもしれないと悩んでいる母を見て、どうすればいいのかいつも母のことを気にかけている。
その一方で、相方のパグの食欲旺盛やおとぼけぶりに振り回されているのも、頭が痛いところ。

サブガイド役:グレイ

サブガイド役:グレイ

ホワイトの妹、一見強がっているが実は甘えん坊で、毎日母といっしょにいたがっている。姉のホワイトには頭が上がらない?