猫だって認知症を予防して家族を守りたい

猫も大きな野原を駆け巡りたいけど、大好きな家族を認知症から守りたい(ΦωΦ)。認知症に関わるエピソードや、認知症予防のための食事や運動などを紹介します。

アルツハイマー型認知症の母が10年かけて復活した軌跡

なぜ認知症になってしまうのか?

私は以前介護施設で認知症や四肢が不自由な方々のお手伝いをしていました。すでに心や身体が思うようにならなくなった方のお世話であり、今まさに壊れゆく様を目の当たりにしたのは母が初めてでした。

たくさんの認知症の方々を見ていて、認知症になる医学的根拠などはわかりません。私が思う一番の原因は自己喪失感が引き金となり、一気に脳の萎縮や心のささくれが進行するのではないかと感じていました。

父がガンで余命宣告を受けて母に与えた影響は?

私の両親は不仲で、お互いにお互いを認め合えず優しい言葉をかけ合うことができない夫婦でした。父からは頭ごなしに母の人格を否定するような言動が続き、母はもともと持っていた性格もあったのか徐々に無気力で被害妄想的な考え方が強くなっていました。

そんな中、父がガンを患い余命1年を宣告されました。本来なら伴侶である父を支えようと思ってくれると思いましたが、母は長年の父からの精神的なダメージにより死にゆく人に対して極端に冷たくあたりました。

あまりの意外さにまだ気持ちの整理ができていないのかと思いましたが、支離滅裂な言動があり、どうも事態が理解できていないのかもしれないと感じるようになりました。

父は死なずこれからも自分(母)をいじめるんだというような発言を繰り返していました。
動けなくなった父を娘がサポートすると、自分がまたないがしろにされていると思い込みだんだん孤立していきました。

疑い深くなってお金を隠すようになったのは認知症のせい?

まさか認知症になってきているとは思わず、ただ現状の変化についてこれず混乱しているのだろうと思っていました。ところが、ある時からお金を隠すようになり、そしてその隠したお金の場所がわからなくなるということが続きました。

娘が盗み取るんだと近所の人たちに言いふらしていることも知りました。通帳から勝手に現金をおろされるからと、印鑑を近所の人たちと変えてしまいました。

たまに会う近所の人にはとても良い顔で娘に対する態度とは真逆であり、お金を返せと朝の5時から娘の家に何度も訪ねて来たり、一晩中眠らずお金を探すということが続きました。

アルツハイマー型認知症と心筋梗塞にかかっていたとは・・・

父が亡くなり葬儀を終えたあと、あまりにも娘を敵とみなす母にどうしても寄り添うことができませんでした。忙しさにかまけ、気になりながらも一年母のところに行きませんでした。

ある日、母を訪ねると真っ暗な部屋に座椅子に座る老婆(母)がいました。なんと母は言葉がしゃべれません。低音やけどをしていることにも気づかず、持病の薬も飲めずお風呂にも一年入っていませんでした。冷蔵庫の中も腐ったものでいっぱいでした。

病院に連れて行き、とんちんかんなことばかり言う母をなんとかなだめて検査をすると病名はアルツハイマー型認知症と心筋梗塞でした。ひとりにするべきではなかったと思いましたが、私の心がついてこれなかったのも事実です。

デイサービスを活用しつつ母の自立を助けてみた

それからは毎日実家に通い身の回りの世話をし、なかなか娘への敵意識が抜けない母でしたが、デイサービスを利用し始めてから少しずつ穏やかになってきました。

買い物にも行けない、お金の計算もできない、まっすぐ歩けない、今のことをすぐ忘れる、服が着られないなど、いろいろとありました。手を出すことは極力抑え、気長に母が自分でできるようにサポートする援助をしました。

私が手を出したらコトは早いのだけどそれではまた母は何もできない廃人のようになってしまうと感じたため、私は待つ援助を決めました。

ごっそり時間と心のスタミナを持っていかれますが、3年、5年と立つうちに以前の母以上に明るく柔らかな表情になっていきました。他人に良い顔をするので訪問販売詐欺にも合いました。解約するたびにだんだん母の中で私(娘)は味方なんだと認識が変わっていったようです。

まだ冷蔵庫の中は何回整理しても腐ったものを入れていますが、買い物も同じフロアにいれば自分で好きなように買えるようになりました。

母に感謝され変身した姿を見せてくれた喜び

その間、乳がんを克服し、アルツハイマー発病から8年が経ったときのことでした。初めて母が、「あの子がいなかったらもうダメだった。感謝している。」とデイサービスの職員さんに話しているのを聞きました。涙が止まらなくあきらめなくて良かったと、心底思いました。

ほぼ10年かけて介護2から要支援1まで戻り、状態によっては介護1までになります。アルツハイマーの進行は進んでいながらも、今は心は柔らかく意識は冴えていて、あの廃人となった魔女のような老婆ではもうありません。

同じことを何回も言うのを、同じ返答でもいいから気長に答え、決してさっきも聞いた、などとは言わないほうが良いと感じています。何でバカにされたかはわからなくてもバカにされたことだけは心に残るようなので、また心を閉ざしてしまうのはお互いになんのメリットもありません。

デイサービスで生き甲斐ができたこと、待つことで母の尊厳を取り戻せたことが、廃人からただのおとぼけおばあちゃんになれたのではないかなと嬉しく感じています。

    • 認知症でよくあることと言えば、お金を盗られたと疑われることが上げられているわね。

    • 家族が敵だと思い込むようになることも、そのような被害妄想が影響しているのかしら。

    • その結果誰とも会うことがなくなってしまい、認知症の症状がさらに悪化するという悪循環。

    • これを断つためには、根気よく接する必要があると考えさせれるわ。

    • 同じことを何回も言われても、「また同じことを言ってる。これで何度目なの?」とか否定したりはせず、それが当たり前のこととして接する。

    • そのような心がけをするだけでもお互いのコミュニケーションは大分変わると感じるわよ。

    • あとは心筋梗塞は糖尿病や高血圧、喫煙などが原因で動脈硬化となって血液の流れが悪くなることから起こるのよ。

    • 動脈硬化は心筋梗塞だけでなく脳梗塞も引き起こすことがあって、結果として認知症にもつながることにもなるというわけ。

    • 予防としては、毎日の食事で塩分や糖分、脂肪分を取りすぎず、食物繊維やミネラルが豊富な食品をとるなど、栄養のバランスに気をつけて。

    • 食物繊維は特にワカメやヒジキなどの海藻類に多く含まれているわ。

    • 運動も大切だけど、散歩やジョギングなどの軽めの有酸素運動を続けるようにしたほうがいいわ。

    • 重量挙げや短距離走などの瞬発的な無酸素運動では逆効果よ。

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ガイド役:ホワイト

ガイド役:ホワイト

二児の母の愛猫で、チャームポイントは尻尾の白猫。
一見すると愛嬌があるように見えるが、実は意外としっかりもの。
最近は、物忘れが多くなった祖母(母の母)がもしかして認知症かもしれないと悩んでいる母を見て、どうすればいいのかいつも母のことを気にかけている。
その一方で、相方のパグの食欲旺盛やおとぼけぶりに振り回されているのも、頭が痛いところ。

サブガイド役:グレイ

サブガイド役:グレイ

ホワイトの妹、一見強がっているが実は甘えん坊で、毎日母といっしょにいたがっている。姉のホワイトには頭が上がらない?